« January 2015 | トップページ | May 2018 »
2017.12.04
ふとここを少し見返してみて、2013年の4月に、新卒で入った会社を辞めてからほぼなにも書いていないことに気づいた。それもそのはず、2013年5月にある会社に転職してから人生が変わった。もちろん、いい方へだと信じたい。
新卒で入った会社には、結局14年ほどいたのか。最終的な肩書きは執行役員だったけれど、取締役が社長以外にはいない会社だったので実質ほとんど自由にしていられた。自分の出来不出来如何が会社の業績に影響してしまう状況で、プレッシャーはあったけれどとても楽しかった。ただ、あの時見ていた景色と今見る景色は全く違う。
転職した先の会社は当時社員数が一万人を超えようとしているところで、それも戦略的なアライアンスを扱う部門だったから、経歴上わたしの経験に意味はあまりなかった。額面で2割ほど年収が減り、タイトルがないところからのスタートだったけれど、それはそれでとても楽しかった。
入社して2週間で、本来のミッションとは違うプロジェクトの推進を兼務で与えられ、それはわたしにとっては、神様からのご褒美みたいなプロジェクトだった。わたしをアサインしたのは常務だったが、おそらくその時点では何の理由もなかったのだろうと思う。できるな?と聞かれ、できます、という返事をする以外の選択肢はわたしにはなかった。やったことのない種類の仕事だったけれど、何の根拠もなく、できる、と思った。その会社でも初めての施策。今思えば、よくもまあ裏付けのない自信を持てたものだと思う。ただ、わたしが14年間クライアントとして濃く深く向き合ってきた業界の仕事だったから、あの人たちとは必ずうまくやれるはず、と思ったのだった。
あちら側とこちら側、ということをよく考えるのだけれど、結局、あちら側とこちら側に橋をかけるのがわたしの仕事だ、と改めて思ったのがその仕事だった。プロジェクトは、何回かの危機(そのうちの一回は真剣に自分が東京湾に浮かぶ/沈む可能性のことを考えた)を乗り越えたあと一定の成功をおさめ、数億分かの経済効果を生んだ。
同時に、わたしは大きな組織の中での生きていき方を学び、そしてそれがやはり自分には合わないのだとしみじみ思い、結局は丸2年でそこを離れることになった。ただ、本当に宝物のようないろいろを、わたしはそこで受け取ったように思う。
今はまた違う会社にいる。若いころ憧れていた業界に、なぜかたどりついてしまった。とはいえ、わたしがいるのはやはりビジネスサイドで、こうなるとあまり業界など関係ないのかもしれない。
不思議なもので、今の会社に来てから二年がたち、また新しいプロジェクトに関わることになった。やったことのない種類の仕事だけれど、根拠のない自信がなんとなくあるのも前と似ていて、来年の夏ごろには一旦の成果が出ているはずだが、さて、どうなるだろうか。